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OVAの感想を書こうと思ったのですが、
書いている途中でTVアニメ化決定のニュースが飛び込んできたので
とりあえず中断。

前回の記事の続きと言いますか、
監督の講義を聞いての雑感をちょろっと書いておきます。
そもそも講義自体だいぶ前のことで、
この記事も前に途中まで書いて放置してたのですが…
後半は講義とほぼ無関係です。

佐藤監督はとにかくまず「ユーザー視点」でものを作る人だと言うのが第一の印象。
意外とここまで徹底しているアニメ監督さんって少ないんじゃないかなと思う。
「もし何の制限も無く好きなものを作れるとしたらどんな作品を作りたいですか?」
という質問に対して、目的やユーザーが明確に設定されている方がむしろ作りやすい、と答えていました。
(それでも、どちらかと言えば劇場版より作ってからすぐに視聴者の反応が返ってくるTVの方が良いとか、もし作るとすると『ストレンジドーン』のような作品かもという事は言ってました、確か)

佐藤監督の作品って「社会現象になる」とか「突発的・爆発的に売れる」というよりは、
「美少女戦士セーラームーン」「おジャ魔女どれみ」「ケロロ軍曹」など
作品がシリーズとして長く続く、という売れ方が多い。
だから監督としての「作家性」というのは普通に見ていても良い意味でほとんど感じられず、
佐藤監督のすごさってなかなか言語化できないものではないかと思う。

講義の中でも、自身の作品の導入部分を系統立てて見せてくださり、
複数の作品でほぼ同じ手法を使っている事に驚かされました。
(例えば第1話の冒頭に「夢オチ」を持ってくるとか)スタンダードな表現を抵抗なく取り入れて、それでいて駄作にならない、「面白い」ものが生まれてくるという。



監督の、アニメ業界そのものに対するお話も興味深かった。
「顧客ありき」になりすぎてアニメ業界がどんどんコアなユーザー向けになりつつあるのも事実だという話。
極端な例えを出すなら、例えばエロ描写を求めて買う固定層がいるから自然にそういう作品が増えてくる、とか。
それはいたしかたない事ではあるけれども、これを全面的に肯定してしまうとアニメーション自体の可能性を狭めてしまう。
あるひとつの方向に濃くすればするほど離れる人もいる。
今は1万本売れればヒットだが、
10年前くらいではOVAなど2万本いけばまあまあと言ってもらえ、
3万本でヒット、4万を目指してほしいという世界だった。
どうにかして打開できないかとみんな試行錯誤しているものの、
方法が見つかっていないというのが現状だと監督はおっしゃっていました。

もちろん社会全体を取り巻く状況そのものも直接的な要因のひとつ。
でも結局「アニメファン」の分母が減っているんですよね。
00年代以降のアニメって、5万売れようと10万売れようとそのコアなアニメユーザーの分母の中での売り上げであって、
「アニメファン」の拡張には繋がっていないのかもしれない。
アニメ同士で「分子」の取り合いをしているだけで。

ある作品に対して「批判したり文句を言うなら見なければいいのに」という人がいるかもしれませんが、
好き嫌いで判別することと、応援することは別なのかもしれません。
確かにアニメが「商品」でしかないなら、気に入らないなら切る、それで良いんだろうけど。
自分にとっては応援したいと思う事と、作品の評価は別にあるかもしれない。
評価出来ないと思っている部分に目を瞑って全てを賞賛するのが「ファン」なら、
やっぱりどんどん狭まっていくだけで。
もちろん極端な「アンチ」はその作品が好きな人にとっては見るのが苦しい部分はありますけど。

これまでは「売れなかったけど、作って良かった作品だね」が通用したけど、
これからは最低限利益を上げるという事がアニメを作る上で、生き残るためには大前提になってくる。
作り手が、「良い作品を作る」事だけに専念するのではなく、それがどうすればたくさんの人に見てもらえるかまで考えなければならない。

自分も畑は違えど、もの作りに携わり、アニメーション以上に「不況」と言われる業界にいるのでいろいろと考えさせられます。
というか私はアニメ業界の現場・現状をこの目で見ているわけではないので
半分はアニメ業界ではなく自分が仕事をしている上で感じている事になってきていますが…。
長い目で間口を広げる体力が無いから、とにかく確実に最低限売れる物を量産する。
その体力すら無い会社はつぶれていく。

うーん、重くなってきたので投げっぱなしで終了。
私も世間からは「オタク向け」で片付けられそうなアニメを買い漁ってる人間だと思うので
別に何かを批判したいわけではないのです。
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